お気に入りの靴を履こうとした時や歩いてる最中に、靴底が“ベロン”と剥がれた…。
そんな経験はありませんか?
多くの方がついやってしまうのが、市販の接着剤での“応急処置”。
でも実はそれ、逆効果かもしれません。
今回は、クツ修理のプロだからこそわかる「接着修理のリアル」と、
クツショウテンの安心サービスについてお届けします。
「靴用の接着剤、Amazonで買って試してみた」
「瞬間接着剤で貼ったけど、また剥がれてきた…」
こうした声は、私たちの店頭でも本当に多く届きます。
なぜうまくいかないのか?答えはシンプルです。
歩くたびにしなやかに曲がる靴底。でも、市販の瞬間接着剤はカチカチに固まるため、その動きについていけず、すぐにパリッと剥がれてしまうのです。
見た目はキレイでも、接着面には目に見えない油分や古い接着剤が残っています。プロは専用の道具で表面を完璧に”お掃除”し、接着剤がしっかり食いつく状態を作ります。
接着剤は、塗ってすぐよりも、少し乾いてベタベタしてきた時が一番強力。プロはそのベストタイミングを見極め、専用の機械で圧力をかけて完璧に貼り合わせます。
近年、「靴底が剥がれてしまった」というご相談が、確実に増えています。
その背景には、私たちが暮らす“日本の気候”そのものが大きく影響しています。
夏の猛暑化 ⇒ 接着剤の劣化促進
夏の猛暑日には、アスファルトの路面温度が60℃以上になることも。この熱で接着剤が軟化・変質し、接着力が著しく低下します。
加水分解で素材自体が劣化
スニーカーのソールなどに使われるウレタン素材は、空気中の水分と反応して劣化する「加水分解」を起こします。
久しぶりに履いた瞬間にソールがボロボロと崩れたり、ベロンと剥がれたりするのはこのためです。
素材の多様化 ⇒ 修理の専門化
ファストファッションの靴や海外ブランドの靴には、PVC(塩化ビニール)やTR(サーモプラスチックラバー)といった特殊な素材が使われていることがあります。これらは素材自体から油分が染み出すため、市販の接着剤ではまず付きません。
「安かったけど気に入ってるから直したい」――そんな声が後を絶ちません。
実は、靴の素材によって“剥がれやすさ”には明確な差があります。
しかもその素材は、あなたの持っている靴にも使われているかもしれません。
代表的な素材と、それぞれに多く使われているブランド・モデルをまとめてみました。
| 素材 | 剥がれやすさ | 特徴・注意点 | 使用されている靴の例 |
|---|---|---|---|
| ポリウレタン底 | ★★★★★ | 軽量でクッション性があるが、湿気と経年で加水分解し崩壊する。履かずに保管していると要注意。 | リーガル(ビジネス系の軽量底)、MBT、Hawkins(スポーツウォーク)、アシックスの一部ウォーキングシューズ |
| EVAスポンジ | ★★★★☆ | 発泡素材で軽く衝撃吸収性が高いが、気泡が粗く接着が安定しづらい。屈曲による負担も大きい。 | NIKE エアマックス系、New Balance(574など)、HOKA (ボンダイなど) |
|
PVC (塩化ビニール) |
★★★★☆ | 水に強く安価だが、経年で硬化・収縮し接着面が割れやすくなる。修理難易度が高い素材。 | ドクターマーチン、クロックスの一部モデル(PVC系)、レインブーツ(HUNTER、AIGLE) |
|
合成ゴム (ラバーソール) |
★★★☆☆ | 耐久性、グリップ力に優れ、比較的安定。ただし圧着や油分残りで剥がれるケースも。 | パラブーツ(ラバー系)、ワークブーツ全般(レッドウィングなど) |
| 革底 | ★★☆☆☆ | 高級感と通気性あり。水に非常に弱く、濡れると接着剤が機能低下。手入れで寿命が変わる。 | プラダ(PRADA)、バリー(BALLY)、フェラガモ(Salvatore Ferragamo)、ペリーコ(PELLICO) |
ただ貼り付けるだけではありません。一足一足に合わせた、丁寧なプロセスで仕上げます。
1. まずは靴の「健康診断」
なぜ剥がれたのか?靴に残った痕跡から原因を正確に見抜きます。最適な修理は、この丁寧な診断から始まります。
2. 特殊な「下地づくり」
表面をキレイに整えた後、素材ごとに接着剤のノリを良くする「下地剤」を塗り分けます。この一手間が、プロならではの圧倒的な耐久性を生み出す秘訣です。
3. 完璧な「仕上げ」と「安心保証」
最高のタイミングで貼り合わせ、専用の機械で圧着。さらに、万が一剥がれた場合に無料で再修理する「修理完全保証」もお付けしているので、安心してお任せください。

長く、安心して履き続けられる。それがプロの仕事です。
剥がれたソールやアッパーとソールの分離など、靴の「剥がれ」に関するトラブル全般に対応しています。
| 修理内容 |
価格 (税抜 / 税込) |
納期の目安 | サービス概要 | 補足事項 |
|---|---|---|---|---|
| 接着(両足) |
¥1,890 / ¥2,079 |
即日 (約3時間〜) | 剥がれたソール全体を強力な接着剤で圧着します。 | 接着面の状態や素材により、接着強度に個体差があります。再剥離の可能性もあります。 |
| 接着(片足) |
¥990 / ¥1,089 |
即日 (約3時間〜) |
同上 (片足のみの修理) |
同上 |
|
接着 (パーツ1ヶ所追加) |
¥490 / ¥539 |
ー | 部分的な剥がれを追加で接着します。 | 追加箇所ごとに料金が発生します |
|
ヒール固定 (片足) |
¥1,490 / ¥1,639 |
最短3時間〜 | 剥がれたヒール部分を強力に固定します | パラブーツ(ラバー系)、ワークブーツ全般(レッドウィングなど) |
※素材や状態により、特殊な表面処理剤を使用するため翌日お渡しになる場合もございます。
※靴の状態によっては、ソール交換や縫いでの固定など、より最適な修理方法をご提案することがあります。
● ソールが“パカッ”と浮いてきたスニーカーや革靴
● アッパーとソールの隙間に砂が入り込んでいる靴
● 過去に市販接着剤で失敗してしまった靴
● 湿気や経年で片足だけ剥がれてしまったサンダル・ローファー
プロによる接着修理は、適切な診断・下地処理・圧着・乾燥管理をすべて行うことで、仕上がりの精度が大きく変わります。
「これ、もうダメかな?」と思っても、まずはクツショウテンにご相談ください。